「5度目の3.11」 2016/03/11 14:50 Share on Facebook Copy URL Report 「5度目の3.11」未曾有の出来事から5年目。あの日7時出船の15時沖上がりで出船していた。帰り支度を始めた時ラジオと携帯から緊急地震速報が流れ船長仲間や漁協から無線が入った。「東北地方で大地震。津波も来るぞ」東京湾周辺は震度4~5強。海上は波風の揺れで地震そのものは何にも感じられなかった。片付けを終え港に戻りお客を降ろし船長7人と7隻は16時過ぎに沖に向かって船を出した。周りが暗くなり津波らしき波が船の下を通過したのがわかった。遠くでは製油所のタンクが爆発していた。港に帰港したのは夜の22時過ぎだった。真っ暗な東京湾にただ佇み月明かりの下今思えば人生で一番張りつめていた6時間だったのかも知れない。生きているのが不思議な感覚だった。宮城の釜石で知り合った民宿のおじいちゃんとおばあちゃんはあの日以来音沙汰なしになった。津波によって民宿共々流されたと話に聞いた。震災後以前の釜石の姿はどこにもなかった。ただ津波の恐ろしさに佇むしかできなかった。人は余りにも無力で自然の恐ろしさを改めて教えてもらった3.11だった。一日も早い復興を切に願います。